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「2018年問題」雇用形態に関する国の施策と企業に求められる対応

人材業界について

2017.11.29

 「2018年問題」とは周知のとおり、雇用形態や契約期間に関する問題である。2012年に改正労働契約法が成立し、5年「無期転換ルール」が定められ、2013年4月1日以降に有期労働契約を締結・更新した場合、5年後の2018年4月1日から労働者は有期契約から無期への転換を申し入れることができることとなった。つまり、有期雇用で2018年以降まで5年以上働いていれば、無条件で正社員雇用への転換を申し入れることができる。国が正規雇用増・格差是正のために打ち出した施策だ。
 しかし、2018年以降、有期雇用労働者に対して、雇用形態の変換を迫られる企業には、人件費・コストの増大の可能性も考えられるため、大量の雇い止めが起きることが懸念される。もちろん、一定数は非正規雇用から正規雇用への転換がされるであろうが、「失業者の増加」を止められるとは考えづらい。果たして、2018年以降の雇用がどうなるのか、大手金融会社を例にみていきたい。

 メガバンク各社では雇用再編成の動きが活発になっている。例えば、某メガバンクグループは2017年5月に店舗のデジタル化による業務効率化により「約4000人分の人員削減効果」を見込んでいる。当グループはリストラではなく配置転換を行うとのことで、「事務員・店舗スタッフ」から「営業」へ転換する見通しである。他方のメガバンクグループは上記と同じ状況だが、約1万人の雇用削減を今後10年程度で行っていく見通しである。
 人員削減や配置転換はなにも金融系に限ったことではなく、人材不足の対応を進める企業で行われている。人員整理が進めば、非正規雇用者の失業は止められない。メガバンクでいえば、各社非正規雇用の割合は20%前後であり、削減の矛先はおのずと契約期間がある非正規雇用に向けられる。
 メガバンクをはじめ、事務作業などを派遣やパートに任せている企業は多いが(非正規雇用者の約3割)、2018年問題とAI導入が絡まり、非正規雇用者に多くの失業者がでると考えられる。非正規雇用者(事務員が多い)×AI導入(事務作業全般を補う)×2018年問題(非正規雇用者の失業懸念)が絡み合う状況下というわけである。メガバンクに限らず、このような状況は一般企業にもいえる。

 「正社員を希望しているが非正規で働いている」という人にとって、2018年は良い転機になる。しかし、女性・若手・シニアなどそれぞれの状況で望んで非正規で働いている人も大勢いる。その中で、2018年以降、非正規雇用者の処遇をどうするか、各社対策を練っているであろう。ただ、個人に寄り添った形で、決定していくことが必要であると思われる。ダイバーシティ・パラレルワークなどの拡大がいわれる現在、ただ単に「正規雇用」対「非正規雇用」という図式のみではなく、より多くの視点から雇用を見直すことが企業には求められる。「個人が望む働き方」により近づいていくことが企業の生産性を拡大させ、個人にとってもよりよい働き方につながるのではないだろうか。

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